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元気な企業(最新)

2006年の記事

 

 

 

 

 

大東電機工業株式会社

 

■くつろぎと健康の時代に照準

業種:マッサージ機製造販売
大東電機工業株式会社

世の中、くつろぎと健康がキーワードとなっている。こりをもみほぐし、すっきりと身体を元気づけるマッサージ機器市場が広がってきたのは、このトレンドが背景にある。電気バリカンメーカーの老舗、大東電機工業株式会社(東大阪市、清水伸一社長)がマッサージ機器に参入後、業績を伸ばしたのは、時代の変化を読み取る企業力があってこそである。

同社は、清水新三会長が1933(昭和8)年に創業、電気バリカンの製造から始めた。1955(昭和30)年に、電気用品製造免許を取得後、電動工具、グラインダー、ハンドシャーの生産を開始。さらに、これらのモーター技術を応用して、電動美容器具、ヘアドライアー、マッサージ機器にも進出、業容を拡大していった。こうした中で、マッサージ機器部門、とくに、大型商品であるマッサージチェアの製造・販売を本格化させた1999(平成11)年以降、業績を大きく伸ばし、いまや、売り上げ高64億円(平成14年度決算)という中堅メーカーにのし上がった。最近は、中国を中心とする生産拠点の海外展開にも力を入れている。

同社は商標を「スライヴ」(THRIVE)と銘打つ。同社によると、TH
-RIVEは繁栄する(PROSPER)、成功する(SUCCEED)、成
長する(GROW)と同じ意味を持つ英語の動詞で、この商標こそが全社員をひとつにして前進していく活力、と力を込める。美容機器市場、健康機器市場、いずれも成長市場だけに競争も激しい。同様に、マッサージ機器業界も、大手、中堅、小企業、入り乱れての激戦である。この中にあって、スライヴブランドは中々に力強い。家庭市場はもとより、健康ランド、入浴場、ゴルフ場、旅館・ホテル、スポーツ施設などで、スライヴのマッサージチェア、マッサージ関連機器をよくみかける。

電気バリカンで創業した同社、いまやマッサージ機器部門が全売り上げの8割近いという。しかし、バリカンもマッサージ機器も、くつろぎ、健康、おしゃれといった、ゆとり関連市場を形づくっている。このゆとり市場を一貫して掘り下げてきた歴史と伝統が、同社の発展の土台にある。さらに加えて、時代の到来を予感し、それに備え、開花させた“感性”が、同社にある。他社の追随を許さない強さだ。フィットネス機器分野へのアプローチも同社の企業ビヘイビアから出てきた次の一手だ。初志と、時代に合わせる柔軟なマーケティングの融合、これが同社の強みである。しかし、この強みも、絶えず市場から新たに試されもしている。企業経営は緊張の連続でもある。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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