東京総研トップへ

元気な企業(最新)

2003年の記事

 

 

 

 

 

(株)技研製作所

 

独創技術で「宝の山」を切り拓く!
業種:建設機械製造、新工法開発
(株)技研製作所

「建築業界がこれほど低迷しているのは、新しい技術が乏しいから」と建設不況を克服する新技術の不足を指摘するのは、独創技術をテコに成長路線をひた走る(株)技研製作所(高知県高知市、従業員数184名)の北村社長。

同社は、社会全体が産業公害に大きな犠牲を払っていた頃に、建設工事の騒音、振動問題を解決する世界初の無騒音、無振動の杭圧入・引抜機「サイレント・パイラー」の開発に成功、これをきっかけに1978年に株式会社として産声を上げた。同機は基礎工事に欠かせない杭(鋼矢板)を地中に打ち込む際、打撃したり、振動させたりせずに、地中に押し込んだ杭につかまり、その引き抜く抵抗力(反力)を利用して次の杭を埋め込むという独創技術の機械。ビル建設工事や地下鉄工事、空港拡張工事などに広く採用され、今や国内シェアは90%超えるという。

無公害の建設機械というだけではない。この技術に環境対策を加味して、建設現場の工法も変えた。例えば、押し込んだH形鋼で壁を形成する工法を応用して、地下に駐輪場を作るという画期的な「エコ・サイクル」を開発し、放置自転車対策に貢献。これを更に発展させ、東京・品川駅前には地下駐車場「エコ・パーク」を建設し、地上の景観を損なわない地下有効利用策として注目を集めている。地震にも強いというこの技術が、街づくりにも一石を投じている。

「基礎があってこそ、新しいことにチャレンジする」と北村社長。工法革命の技術を基礎に、環境保全を考慮した地下開発のビジネスモデルを構築し始めた。主眼を置く地下開発の分野は「まだまだ未開発。宝の山」としっかり先を読んだ貪欲な挑戦が続く。

同社のキーワードは、独創技術、環境、地下開発。今後の宝の山を開拓する戦略にエールを送るが、何よりも、時代の流れを先読みしたチャレンジこそ、企業発展に共通したキーワードでもある。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


著作者の承諾を得て掲載しています。無断転載ご遠慮願います。

 

▲ TOP

2003年の記事に戻る