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2007年の記事

 

 

 

有限会社畑萬陶苑

 

■産地のステップアップに絶好の機会到来

業種:伊万里焼の製造
有限会社畑萬陶苑


地域振興の必要性が各方面から叫ばれている。こうしたなか、産地はそのポテンシャルを活かし、各産地組合の有志等が「産地復活」をかけて熱い取り組みを開始している。

伊万里焼の産地では、有限会社畑萬陶苑(佐賀県伊万里市)が、「伊萬里香水」の開発を終え、このほど販売を始めた。伊万里焼の伝統美を活かした香水瓶と、香水の調理師ならぬ「調香師」とがコラボレーションし、伝統の伊万里焼+「本物の香り」の融合化を実現した。

その香水瓶は、古伊万里様式の装飾性と金属との一体性機能を備えている。長年にわたるオリジナルの香水開発を踏まえた、2年間にわたる開発プロジェクトの成果である。香水市場は国内が約400億円、海外は7千億円を超える市場である。国内市場もまだまだ伸びる余地はあるが、目指すは海外市場。関係者は、勝負の年だ!と各地を駆けめぐっている。

通潤酒造株式会社(熊本県益城郡)は、野菜果実を使った日本酒ベースのリキュールを開発し、販路拡大に取り組んでいる。近年、梅酒が先行する形でリキュールの販売が拡大傾向を続けている。熊本はお米を使った焼酎(球磨焼酎)で有名であるが、同社は創業以来、地元のお米を使った日本酒造りをしてきた。日本酒は近年減少傾向にあることから、「和のリキュール」造りに取り組むこととした。

ブルーベリーは目によいとされる健康食品として知名度が高く、地元特産でもあることから、まずはブルーベリーでリキュールを開発した。値段は高めながら、月産1200本の完売状態が続いている。次に販売した3本入りのギフトセットも完売。

地元産の野菜や果実を丸ごと使う製法は、果汁だけを使う従来品とは違ったテイストが生まれた。健康志向のレストランや旅館等にニーズがあることから、シリーズ化して更なる売り上げ拡大を目指している。

地域には産地技術、農林水産品、観光資源など地域特有の資源が豊富にあるが、地元では地域資源の持つ素晴らしさに意外に気付かず、または視点を変えた新しい見方ができず、活用されないまま眠っているケースが見受けられる。

先般立法化された「中小企業による地域産業資源を活用した事業活動の促進に関する法律」(「中小企業地域資源活用促進法」)は、地域産業資源を活用した新商品開発等を促進するための法律であり、その目的は、地域の中小企業が、身近にある「地域資源」を活用して地域経済発展のための核となる新たな事業を育てていくことにある。

各産地が、新たな視点から地域資源を見直して産地復活を実現できれば、日本の元気は本物となる。地域資源は、産地を新しいビジネスステージに誘う絶好の機会をプレゼントする。



著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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