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本多機工(株)

■「産業用ポンプを世界に供給」

業種:ポンプ製造
本多機工(株)


産業のコメと言えば古くは鉄鋼、その後半導体を指すようになる。だが、産業界にはこれ以外にも「この部品、製品がなければシステム全体が円滑に動かない」という、心臓部となる重要部品・製品が存在する。一見地味な存在に見える「ポンプ」もそういう類の製品の一つである。

産業用特殊ポンプを手がける本多機工(株)(福岡県嘉麻市、龍造寺健介社長)は、渦巻きやラテックスエマルジョンといった液体ポンプの製造を得意とする企業。龍造寺社長は「ポンプはあらゆる産業の心臓でありコメだ」と誇りを持って言う。世界50カ国以上に製品を輸出、海外販売比率は50%を超える。納入先も電力、製鉄、石油化学プラント、半導体・液晶製造など幅広い。

製品の全ては受注生産。各国の規格に合わせて一品ずつ手作りで製造する。昨今は日系企業のアジア進出に伴い、同地域向けの液体ポンプに人気が集まる。模造品も出回るが、性能で見劣りし結局は「本多の製品でなければ」と同社の製品に戻る。ポンプ内の羽根(インペラ)も顧客ごとに最適設計する。人気のラテックスエマルジョンなどでは特殊インペラによりポンプ内のゲル化を防ぎ、閉塞トラブルを解消した点が高い評価を受ける。

ゲル化の割合は一般的な渦巻きポンプの30分の1という。このため頻繁な分解点検の必要がなくメンテナンスコストがかからない。また製品のグローバル化に伴い、海外の人材活用にも力を入れる。出身国はドイツ、タイ、韓国、スリランカなど多彩で、社員として忙しく働く。全員が日本の大学に留学し、日本の製造現場を学び、将来は自国で起業することを夢見る。

龍造寺社長は米カリフォルニア美術大学でグラフィックデザインを学んだという異色の経歴の持ち主。「米国帰りの社長が何を言うか」などの声も当初はあったが、威張らずに時代に合った取り組みをしていくうちに風通しが良くなったとか。外国人従業員の比率はさらに高まると同社長は予想する。社内のコミュニケーションの高まりはこれからの中小企業の「国際化」のお手本にもなりそうだ。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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