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2005年の記事

 

 

 

 

 

 

(株)ジェイ・エフ・ビー

 

広島風お好み焼きの宅配を事業化

業種:食事宅配
(株)ジェイ・エフ・ビー

だれでもが思いつきそうで思いつかない。ヒットというのは案外そんなものだ。ひとに先んじて思いついて、形にし、事業化する、勇気と執念がなによりポイントだ。「調理は3分、お客さんに15分であつあつのお好み焼きを届けます。もちろんお好み焼きの開発に大きな力を入れましたが、運ぶボックスや容器やビジネスモデル全体も考え抜きました」とするのは広島風お好み焼き宅配ビジネスを創業し、軌道に乗せた(株)ジェイ・エフ・ビー(広島市、従業
員24名)の船本明利社長。

同社は広島市近隣で最大手の食事宅配会社。東京、大阪はじめ全国に約20店舗を持ち、FC展開もしている。広島風お好み焼きの宅配で知名度を上げたが、パスタ、石焼き風ビビンバなど宅配の品目は多岐にわたる。データ重視、現場主義によって、きめ細かな改善を怠らず、効率的で体系的な事業を築いているのが特色。

船本社長の実家は仕出業だったが、法事・周年事業など柱としていた需要が年々減り、新事業の展開を迫られていた。このため、昭和61年、洋食レストランを開業したが、固定店舗で来店客待ちの事業形態では、時間帯による繁閑の差が激しく効率が悪いことから、平成3年、宅配部門を開設した。苦労を重ねながら、同社独自のシステムを確立、気象予測に基づく需要量予測で仕込み
量や要員計画を決定したり、顧客管理・受注システムの構築など、科学的で現場密着の経営ノウハウを蓄積していった。

こうした中で、他社がまねできない戦略商品として、広島風お好み焼きの宅配に挑み、関連業者の否定的意見が多かったのを乗り越え、半年間、試行錯誤を繰り返しながら、商品化に成功した。加工段階で適切な水分除去を行うことで解凍後も良い食感を維持する技術を開発、調理時間は3分以内(普通は10分〜15分かかる)というハードルもクリアした。容器もできたてに近い味を実現できるよう、湯気が水となっても商品に落ちない独自のものを開発、お好み焼きの宅配という未踏の事業を軌道に乗せた。

お好み焼き以外のメニューも少しずつ増やし、今ではコンビニ並みの500種類もの宅配メニューを揃えている。「厳しい時期に中小企業経営革新法の応援で助けられた」と述懐する船本社長、「対コンビニで、いつ電話しても開いていて、何でも届けることを目指す。」と家業を基礎に挑んできた経営革新を今後もつづける構えだ。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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