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2007年の記事

 

 

 

 

 

株式会社前田シェルサービス

 

■新連携で不可能を可能に!ゴム製タイヤを再生利用

業種:ゴム製タイヤリサイクル
株式会社前田シェルサービス


わが国自動車産業の源流地と言われる中部地区で、世界初のゴム製タイヤのリサイクル技術が誕生した。この新技術が日の目を見るのは、ウレタン加工が得意な株式会社前田シェルサービス(愛知県岡崎市、前田貞夫社長)をコア企業とする新連携事業の成果だ。省資源と環境保全に有効なその製品は「ハイエコタイヤ」の商品名で、開花期間近の様相を見せている。

注目の新技術は、フォークリフト用などのゴム製の廃タイヤをウレタンで特殊加工して、硬質でカラフルな新品同様のタイヤに再生する。コーティング材に独バイエル社製品を使うが、約2年をかけて独創的な前処理法を開発し、不可能といわれたゴム製タイヤの再生利用を実現した。リサイクルすることで省資源化を図り、焼却処分によるCO2の発生量も無くして環境改善にも貢献する。その製品普及を狙って、基本技術を持つ同社を核に、生産管理のタカハシ興産株式会社、金型製作の株式会社田羽多製作所の3社が連携体を組んで量産体制を整え、ユーザーから摩耗タイヤを預かりウレタンゴムで再生して元のユーザーに返納するという独特な方法で、本格的な事業展開の段階に入った。

コア企業の同社は社歴40年。原点は社名に刻まれたシェル中子製造技術。そこから環境保全、省エネ、省資源分野のアイデアあふれる多彩な製品を生んできた。象徴的な製品が世界基準を超えるクリーンエアシステム。食品や精密機械の製造に欠かせないクリーンな圧縮空気を精製する技術は国際市場を制している。もうひとつの得意分野が今回のウレタン成形加工技術で、実用化した廃タイヤ再生も世界特許を申請中。一貫して「誰のマネでもない独創的かつ実用的な製品づくり」を基本方針とし、そのオリジナリティーが愛知ブランド企業の認定や日本PM協会賞など数多くの技術表彰につながった。

フォークリフト用タイヤは年間約30万本が廃棄される。国内だけでは72億円ほどの市場規模だが、「オンリーワンの事業展開にこだわる」と前田社長。持ち前の「be complete(徹底する)」経営で“唯一製品”を育て、新連携の3社連合で世界市場に打って出る戦略だ。近未来の成果が待ち遠しい。      



著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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