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2010年の記事

 

 

 

幸伸食品

■豆腐ベースに新商品開発続々

業種:豆腐製造
幸伸食品

「永平寺禅豆腐」や「ごま豆腐」で名を知られる幸伸食品(福井県永平寺町、久保博志社長)。これらの製品は白山の伏流水と国産100%の大豆で製造され、全国のデパート、スーパーなどで販売されている。同社の特色は豆腐だけにとどまることなく、豆腐をベースに新しい商品を開発している点にある。

例えば豆腐とチョコレートという、和と洋の一見奇妙な組み合わせのヒット商品がある。名付けて「豆腐生チョコレート」。動物性の生クリームの代わりに搾りたての豆乳を使用、普通の生チョコより約30%カロリーを少なくした。豆乳には骨粗しょう症などの更年期障害を緩和する大豆イソフラボンが豊富に含まれており、健康志向商品でもある。

本業の豆腐という商品自体は日本古来のものだが、商品開発志向の強い同社は、豆腐、豆乳を活用したシューマイ、ハンバーグ、焼き菓子などを次々と商品化している。ただし、だからと言って量産の道を決して歩まない。「目指せキラリと光る小さな優良企業、を合言葉に、経営品質で全国一を目指す」(久保社長)という身丈に合った経営を心掛ける。

豆腐製造業は大まかに言って、機械化による量産と輸送の工夫でコストを下げ規模拡大を図るか、質を追求し個性派経営を目指すか、のどちらかに分かれそうだ。どちらの道も険しいが、「資金や人材に乏しい中小企業は量と質の両方は取れない」(同)という同社は当然、後者を追い求める。

社員30人の少数精鋭主義。顔が見えない顧客に向けての商品作りは「感謝の気持ち」(同)が基本。豆腐生チョコの精神も「健康」と「人間の幸せ」。製造現場は安全、安心を第一とし、遠隔地への出荷も温度管理を徹底する。こうした信念と実践は、農水省主催全国優良ふるさと食品コンクールの新技術開発部門で5年連続受賞していることにも表れている。地に足を付けた挑戦は止まることを知らない。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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