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2011年の記事

 

 

 

(株)マドンナ

■「『海のシルク』でウェディングドレス」

業種:オリジナル紳士・婦人服製造・販売
(株)マドンナ

「天賦の才能」という言葉があるが、この人もそうした才能が授けられた一人であろうか。子供の時から服を縫ったりデザインするのが大好きで、何しろ単なる夢や憧れでなく、将来ファッション関係の仕事をすると決めたのは小学校5年生の時だったというから驚き。しかもその当時から実際に依頼されて服を縫い始めているのも常人とは違うところだ。

その人はオートクチュール(高級注文服)やオリジナル紳士・婦人服製造・販売などを手がける(株)マドンナ(那覇市)の山内光子社長。2009年に創業40周年を迎え昨年、念願のファッションビルを建設したばかり。デザインから染、縫製まで一貫生産できる工場も持つ。沖縄伝統の技に新しい時代の感性を加えた織物、創作品、かりゆしウェア、ステージ衣装など多くの人に受け入れられ成長した。

山内社長は縫う方は独学でプロの域に達したため、洋裁学校へは理論を学ぶためだけに通った。当時あまり知られていなかったフラワーデザインもいち早く学び、その時の経験も今のビジネスに生きている。その後沖縄期待のデザイナーとして九州・沖縄はもちろん、米国、フランスなど内外で活躍するが、大きな転機となったのはフランス留学の時だ。

現地で言われた。「沖縄の染め織はすべてオリジナルで、先人が残してくれた文化。沖縄には200年分の繊維素材がある」と。ファッション先進国のフランスでこれを聞き、琉球王国の文化を改めて認識した。しばらくして出会ったのが「珊瑚ファイバー」だ。風化してかけらになった珊瑚を、試行錯誤した末にレーヨンに練り込んで作った糸だ。

このファイバーは「海のシルク」とも呼ばれる。25度C以上で布地がマイナスイオンを発生する、沖縄を象徴する新たな素材だ。これを使いウェディングドレスやジーパンを、中小機構沖縄事務所の新連携事業を活用して商品化、発売した。山内社長は「まだまだ作りたいものがいっぱい」と顔を輝かせる。天性の美的センスと感性の大らかさはまさに沖縄の申し子といえそうだ。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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