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2008年の記事

 

 

 

 

 

鍋屋バイテック

 

新しいことに挑戦し続ける超老舗企業

業種:鋳物メーカー
鍋屋バイテック


長い伝統を受け継ぎ、しかもなお発展の道をまっしぐらにたどるというのは並大抵のことではない。

老舗鋳物メーカーの鍋屋バイテック(岐阜県関市)は並みの企業ではない。1560年創業というから約450年も続いている超長寿企業である。その昔、企業の寿命は何年か、という話題が産業界を駆け巡ったことがあったが、100年をはるかに下回る数字が経営者の口に一様に上っていた。同社の場合、何をしてこんなにも長く存続・発展させる企業になったのか。そこには経営の大事な秘訣が隠されているはずだ。

業務としては、プーリーやカップリングなどの電動機器部品、液晶製造装置向け特殊ネジなどを国内外に供給している。まず特徴的なことは、約30年前から「寿司バーコンセプト」と呼ぶ「多品種微量」の生産体制を敷いたこと。顧客である機械設備メーカーがそれまでの大量生産方式から、必要な製品を必要な分しか作らないという、極力在庫を持たない生産体制に移行したことに即応したものだった。この生産方式はその後、わが国のあらゆる業種の企業に波及していった。金田光夫社長は「14時までに受けた注文は、当日出荷できるようにしている」と自信を語る。

他方、ものづくりはひとづくり、といわれるが、社員の意欲の引き出し方、育て方にも慧眼が光る。多くの企業が導入している目標管理や成果主義を掲げず、伸び伸びと失敗を恐れず挑戦させることを経営の本旨とする。「数字やスローガンで社員のやる気は引き出せない」(岡本太一会長)と。

この50年間は赤字知らず。同社の社員も生き生きとして明るい、とは外部の評。社員は会社の将来に希望を持っているからだろう。ただ、優良企業といえども現状に立ち止まれば、その時点で成長がストップしてしまう。同社は海外市場に目を向け、特に中国市場で独自の無人店舗システムを構築。上海の保税地区に倉庫を設け、現地企業に一切の販売業務を委託している。これは中小企業基盤整備機構の協力を得て設置、大きな成果を挙げているもので、ここにも伝統にあぐらをかかず、常に新しいことに挑戦し続ける意気込みが伝わってくる。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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