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2003年の記事

 

 

 

 

 

(株)エヌケイシー

 

■「人との出会い」を生かして研究開発!
業種:アイデアベンチャー企業
(株)エヌケイシー

「小さな会社でも何か素晴らしいモノを作りたいという信念を貫き、この衝撃吸収装置の開発に成功した。その秘訣は何よりも“人との出会い”を大切にしたこと」と心を込めて語るのは、大阪のアイデアベンチャー企業、(株)エヌケイシー(従業員数5名)の女性リーダー、山崎孝子社長。

同社は、設立が1999年と若い会社だが、その前身時代も含め、アイデア企業としての歴史を持つ。介護関連でソフトに腰掛けられる便座シートを商品化したり、電子顕微鏡の振動を吸収する素材を開発したりした。いずれもアイデアは良く、関心を集めたが、ビジネスに発展するまでには至らなかった。しかし社長は、「企業は小さいが夢は大きく」の信念を思い起こし、決してへこたれなかったという。

開発を担当する社長の弟と二人三脚で、以前から指導を受けていた大阪府立産業技術総合研究所の協力を得て、車両用衝突緩衝装置「SHOCK PROTECTOR」の開発に取り組み、試行錯誤のうえ、見事に商品化に成功。高速道路などで車が衝突しても衝撃を吸収して人命を守る装置で、衝撃吸収、低コスト、小型化の三点を特徴とし、緩衝材(発泡スチロール)と慣性質量体(鉄板)を適正配置することで優れた緩衝性能が生み出された。同研究所との共同で特許も取得。製造はこの装置の開発協力会社に委託した。

従来、高速道路向けの衝撃吸収装置には、「砂袋」や水の入った「ドラム缶」が使用されてきたが、「SHOCK PROTECTOR」を導入した近畿自動車道のあるジャンクションでは、時速100kmのスピードでこの装置に突っ込んだ軽ワゴン車の運転手が、足の骨折ですみ、人命が守られたのをはじめ、多くの実績をあげているという。

こうしたアイデアが生まれ、新商品開発が軌道に乗った背景について、社長は「府立産総研の研究員の先生、開発協力会社の社長をはじめ、多くの人との出会いが、新商品開発の原動力となった」と説明する。社長をはじめ同社には、多くの人に協力させてしまう“求心力”もあるようである。今後も多くの人との“出会い”を通じ、様々な“衝撃”を乗り越え、同社の更なる新商品開発が進むことを期待したい。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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