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2012年の記事

 

 

 

(株)岡崎製作所

■「分野を極める経営をまい進」

業種:工業用温度センサー開発
(株)岡崎製作所


米国製センサーを輸入する会社からメーカーへの転身を図り、鮮やかに花開かせた中小企業がある。工業用温度センサーで国内市場の50%以上を占め、宇宙航空研究開発機構(JAXA)のH−2AやH−2Bロケットにも搭載、導線を金属管に入れ無機絶縁体で固定するMIケーブルの生産は世界一、シース熱電対は外径が0.08ミリメートルと世界最細化しギネス世界記録に認定されている。

このすごい会社は(株)岡崎製作所(兵庫県神戸市、岡崎一英社長)。何がこの会社を成長させたのか。それは当社の中興の祖、岡崎一雄会長が掲げてきた「その分野を極めること」と「すべて顧客中心に考えること」にこだわった経営にある。これをベースに航空宇宙への死に物狂いの挑戦を行ったことが、現在の同社を築いている。

航空宇宙では昭和59年から温度センサーの国産化に挑み、次々と他社が脱落するなか、上場企業との一騎打ちとなった。ライバルに比べ資金面で不利だったが、同社の技術と熱意に地元金融機関が全面支援してくれた。「これに勝たなければナンバーワンにはなれない」との信念で取り組み、ついに平成2年に開発に成功、宇宙開発事業団(JAXA、現宇宙航空研究開発機構)の正式認定を受けた。この努力があって現在、国産ロケットに搭載されている。

すべて顧客中心に、そして分野を極める挑戦はこれからも続く。シース熱電対では外径が0.07ミリメートルという驚異的な数字を目指して取り組む。技術力は他社が追随できないレベルに到達しているといえる。また顧客中心という考えから、顧客へのきめ細かい対応のしかたにも気を配っている。例えば量産ラインはもちろん、納期1日と特別に急ぐ製品にも即納できる人員と生産体制を整えている。

岡崎会長は社長就任から約半世紀の間、一度も赤字を出さない経営をしてきた。今年6月、長男の一英氏に社長のバトンが渡された。「これまでの方針を引き継ぎ、海外での販路開拓と生産の効率化に取り組み、売り上げは毎年10%アップを達成したい」と岡崎社長は意気込む。分野を極める経営を標ぼうする同社に隙はない。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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