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2010年の記事

 

 

 

(有)サンテック

■ピンチの時は思いっきり遊べ!

業種:エンジニアプラスチックやフッ素樹脂部品の切削加工
(有)サンテック

スカイツリーの建設が進む東京都墨田区。今もどこか江戸の雰囲気を持っている。この町の一角にある(有)サンテック(東京都墨田区:山部敦行社長)は、産業用機械や医療機器などに使われるプラスチック部品の加工を行っている。1mほどの長さの丸いプラスチック棒を切削して、注文の形に整える。1個からの小ロットでも受け、短納期を実現している。

プラスチック製品は温度管理が大切。低温になると縮んでしまうのだ。製品はもちろん原料も室温21度から23度に管理している。また、経営者仲間に刺激を受けた敦行社長は、新たな分野に乗り出した。砥石と調整車(強化ゴム)の間に工作物を挟み込み、材料を回転させながら表面研削を行う「センターレス加工」だ。新分野への進出は大変な苦労を伴ったが、今ではセンターレス加工のみの注文も少なくない。

創業して今年で13年目と比較的若い企業といえる。社長の母親で会長の山部順子さんは、実家が飲食店。中学生の時に手伝いから始まり、いつの間にか店を切り盛りしていた。本人も天職と思っていただろう。しかし、転機が訪れる。

ある日、お客さんが店で飲みながら、起業する話をしていたので、順子さんも事務員として雇ってもらおうと考えていた。ところが、支援者からは「あなたが社長するなら支援する」と言われる。「突然、何を言い出すのか」と思いつつ、「まあ、人生で一度くらい、社長と呼ばれるのもいいか」と引き受けることを決意。中小企業経営に乗り出した。

比較的順調に立ち上がり、「運がよかった」と笑う会長も「リーマンショックの直後は本当に厳しかった。社員は、週休4日にしてもらった。本当にもうダメか、と思う月が何度もあった。」と。でも、そんな時、「ふさぎこんでいても仕方がない!」と、取引先を多く引き連れて韓国旅行を楽しんだ。指示は「中途半端はだめ、思いっきり遊べ!」だった。元気いっぱいの経営者が下町の中小企業を今日も引っ張っている。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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