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2010年の記事

 

 

 

株式会社ティアンドエス

■「超短納期」を売り物に

業種:レーザー加工、レーザー彫刻等
株式会社ティアンドエス

川上企業が川下企業から製品の機械加工やパーツの組み立て、部品の生産などを受託する場合、ポイントになるのは当然のことながら「納期、価格、品質」だ。とりわけ納期については完成品メーカーである川下企業だけでなく、その他の納入業者全体の生産計画にも大きな影響を及ぼすだけに、時間単位、分単位で厳密にチェックされることはいうまでもない。

ティアンドエス(埼玉県草加市)は品質と低価格だけでなく「超短納期」を売り物にしている精密板金加工業者である。場合によっては受託から数時間で相手先企業の要求に沿った製品を作り上げ、納品することもある。元々、他品種少量生産を得意にしてきた同社だけに、一品ものの製品でも段取り替えなどに時間を費やすことはめったにない。従業員もすぐに、製品としてアウトプット出来るだけの準備を心がけている。

数時間での納品を可能にしているのは設備投資だ。「機械を常に最新鋭にしておくことがお客様への還元につながる」(澤口務社長)と言ってはばからない。同社では2009年1月に新本社工場が完成した。効率を考え、近隣にある2工場も新工場に集約した。当然、導入したマシンも最新鋭だ。同社はレーザー加工を最も得意にしているが、曲げ加工や研磨加工など一貫体制で精密加工が出来るようになっている。

新鋭設備の導入は作業効率を高め、人件費のアップを抑制、品質の向上にも資する効果がある。同社の場合、オートパレットチェンジャー付きの新鋭レーザー加工機を導入することで、金属材料の取り付け作業などは無人化できた。さらに材料にCADデータを無駄なく割り付けられるソフトを活用することで、歩留まり率が従来の60%程度から80%以上に向上することも可能になった。こうした効率化はコストダウンにつながり、顧客のニーズにも応えることになる。

同社は当然のことながら「お客さま第一」を心がけている。これを実現するために「管理は最小限に、信頼を最大限に」(同)というキャッチフレーズを掲げる。従業員を信頼し権限を現場に委ねており、従業員も生き生きと作業をしたり、打ち合わせをしている。「お客様がわが社の設備を、自分のところのものだと思って活用してもらえるとありがたい」(同)というが、新鋭設備も従業員があってこそ顧客のニーズにマッチした動きをすることになる。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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