東京総研トップへ

元気な企業(最新)

2009年の記事

 

 

 

テムザック

 

人に役立つロボット開発へ一直線

業種:ロボット開発
テムザック

一口にロボットといっても、工場の製造ラインから人型などまで広範囲にわたる。ソニーの愛犬型ロボット「アイボ」やホンダの「アシモ」など有名なキャラクターになったロボットもある。だが、人と真に共存し、人のために役に立つロボットの実用化は今だし、の感がある。投資額が莫大なことや収益面で不透明なことなどが本格開発に二の足を踏ませているのかもしれない。

大企業では100億円単位、中小企業でも億単位の投資額を投入するといわれるロボット開発。こうした中で、敢然とロボット開発にまい進する異色の中小ベンチャー企業がある。福岡県宗像市に本拠を置くテムザック(高本陽一社長)である。父親が経営していた会社を引き継ぎ、1993年に自社用の受付ロボットを開発。それ以降、ロボット開発にのめり込み、2000年にロボット開発専業の現在の会社を設立した。

高本社長の信念は「人に役立つロボットをつくる」こと。何よりも機能優先で「見た目にかわいくなくてもいい。ロボットという単語にこだわらなくてもいい」とまで言い切る。これまで約30種類のロボットを開発しているが、いずれも実用性の高いものばかり。人が近づけない危険な地域やがれきの除去など災害現場で活躍するレスキューロボットは、改良を重ねて小型・軽量化に成功、車両ナンバープレートも取得するまでになった。

より相乗効果を出すため、国内外の連携にも目を向ける。大学、研究機関、製造業などレベルの高いものづくり地域・北九州地区という地の利を生かして積極策を打ち出す。5月下旬には、国内外11機関による医療、介護、生活支援ロボット研究開発施設「ベーダ国際ロボット開発センター」を宗像市にオープン、同社はその窓口役となった。宗像発のロボットを世界に向けて発信する計画で、「世界でも稀な組織。産業化に直結する活動」を行うとしており、地域の期待も高まっている。

この分野での最大の課題は、中小企業に共通する資金問題。開発投入資金を回収、収益を上げるためには販売の強化が不可欠だ。同社の場合、開発したロボットが実際に販売に結びついたのは決して多いとはいえない。研究開発面で多くの企業、大学などの協力を得てきたように、販売面での連携もこれまで以上に期待される。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


著作者の承諾を得て掲載しています。無断転載ご遠慮願います。

 

▲ TOP

2009年の記事に戻る