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2006年の記事

 

 

 

 

 

有限会社ミルズ

 

■震災、豪雪に負けてなるものか

業種:牛乳宅配業
有限会社ミルズ

快進撃していた新鋭企業に突然、天災が襲う。企業経営にリスク管理は欠かせないと理屈では分かっていても、地震、雪害、水害と、次々と天災に襲われた企業の苦労は並大抵ではない。しかし、この苦難をバネに再び成長へ立ち向かってがんばる企業がある。

新潟県を地盤に急成長してきた、牛乳宅配業の有限会社ミルズ(長岡市、林征司社長)がそれ。斜陽とされてきた牛乳宅配業界をあっといわせた成長振りで話題となった企業だ。1995年設立の同社が牛乳宅配市場に本格参入したのは2000年。以後、わずか5年余で年商7億3000万円、従業員100名の有力企業に躍り上がった。店舗も同県内に止まらず都県含め、10数店舗を開設した。なぜ急成長したか。“配達革命”を起こしたからだ。牛乳配達の常識、早朝配達は止め、昼間配達に切り替えた。「毎日配達」も「週2日配達」とした。冷蔵庫が各家庭にある今、旧来型の配達にこだわる必要がなくなっていたからだ。営業マンを鍛え、家庭を訪ね各顧客向けにより良いサービスを行い、顧客の心をつかんだ。牛乳にこだわらずいろいろな生活用品の注文も徐々に受ける試みも始めた。営業ネットワークも、市街地だけでなく山の奥まで広がっていった。店舗も新たに倍増しようという快進撃振りだった。

そこへ、突如、中越大震災。県全域に広がっていた店舗網全てが打撃を受けるという最悪の難は避けられたが、小千谷店、長岡店、三条店の打撃は大きく、特に小千谷店は顧客が被災した影響を大きく被ることとなった。大災害となった山古志村にも顧客が広がっていたが、全て届けられなくなってしまった、という。日頃の配達・営業網をフル回転して被災者の救援に力を注いだことはいうまでもない。しかし“閉ざした村”のビジネスが復活するには長い時間が必要となった。震災に止まらず、水害、雪害も続いた。快進撃してきた経営計画も、天災の襲来で大きく狂わざるを得なかった。「1年から2年後倒しせざるを得なかった」。

しかし、いつまでもこだわってはいられない。同社は、この困難こそバネにと再び成長路線に復帰し始めている。震災前に芽が出ていた、牛乳以外の扱い品目拡大を丁寧に始めている。他の食材、食品の注文も顧客訪問で聞き込み、セールスチャネルに乗せられるものは乗せていこうとしている。健康食品や産直ものの扱いも試みようとしている。さらに介護用品リースなど新たな分野も視野に入れつつある。震災、豪雪を経て、街や村の様子も変わってきている。少子高齢化の波も一層顕著になってきた。配達革命で発揮された着眼の良さは、新たな時代の変化にあわせさらに研ぎ澄まされようとしている。

 



著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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