契約社員の雇入時健康診断(2002年12月号より抜粋)  
  8ヵ月と期間を限って契約社員を雇うときに法定健診は不要でしょうか  
     
Q

当社では、短期プロジェクトのため8ヵ月の期間を限って、契約社員を雇用します。労働時間は、正社員と同じです。しかし、期間が短いので、雇入時の健康診断は不要と考えますが、明文の除外規定が見当たりません。法的に問題がありますか。

 
   
A

雇入時健康診断の対象になるのは、条文上、「常時使用する労働者を雇入れるとき」(労働安全衛生規則第43条)です。しかし、「常時使用する」ということばの定義が、必ずしも明確ではありません。

労働安全衛生法ではあちこちにこのことばが出てきて実務担当者を悩ませますが、健康診断に関しては、行政解釈(平5・12・1基発第663号)が示されているので、スッキリ処理できます。

健康診断の対象になるのは、次の2つの条件を満たす場合です。

  1. 期間の定めのない労働契約により使用される者(期間の定めのある労働契約により使用される者であって、契約の更新により1年以上使用されることが予定されている者及び1年以上引き続き使用されている者を含む)
  2. その者の1週間の労働時間数が正社員の4分の3以上であること

貴社採用の契約社員は、労働時間が正社員と同じですから、(2)の要件は満たしますが、(1)には明らかに該当しません。「期間が短いので、健康診断は不要」という判断に誤りはありません。

ただし、8ヵ月で確実に契約が終了するのではなく、反復更新して1年以上になる予定なら、「常時使用する労働者」に含まれてしまいます。この点には、注意が必要です。この通達を適用すると、常用雇用のパートで労働時間が正社員の4分の3以上なら、健診を受けさせるべきという結論になります。さらに、「4分の3未満でも、2分の1以上なら、受診が望ましい」という指導もなされているので、覚えておいてください。

 

 

 
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