パパ・ママ育休プラス (2015年6月号より抜粋)  
     
 

「奥さんが既に育休から復帰済み」を理由に男性の育休申出を拒否?

 

Q

当社の男性従業員が、突然、育児休業をしたいと申し出てきました。しかし、子どもはまもなく1歳を迎えます。聞くところによると、「奥さんは出産後半年程度、育児休業を取っていたけれど、今は復職している」ということです。特に育児の必要があるとも思えないのですが、拒否できないのでしょうか。

 

 
 
A

男性に権利発生、拒否できない

育児介護休業法では、「1歳に満たない子を養育する労働者」は育休の申出ができ、事業主は原則として拒むことができないと定めています(第5条、6条)。男性は出産と同時に育休を取得するのが普通ですが、そのタイミングでなくても、「1歳に達する前」なら、いつでも申出ができます。育休に関しては、他に育児ができる親族等(本人・配偶者の父母等)がいても、拒否の理由となりません。

ご質問の方が、どういう意図で休業を申し出るのか定かでありませんが、正社員で1年以上勤務しているといった状態なら、基本的には本人の必要性次第です。

「もうすぐ1歳になるのに」ということですが、1歳2ヵ月まで、あるいは1歳6ヵ月まで、期限が延びる可能性もあります。

まず、「パパ・ママ休暇プラス」という仕組みが設けられていて、次の条件を満たすときは、1歳2ヵ月まで育児休業を取得できます(育介休業法第9条)。

  1. 配偶者が、子が1歳に達する日以前に育児休業を取得

  2. 本人の休業開始が子どもの1歳到達日以前

  3. 本人の休業開始日が配偶者の休業開始日以降

奥さんは、本人より先に(3)既に育休を取得し(1)、本人の休業開始日も1歳到達日以前(2)です。奥さんは既に休業を終了していますが、パパ・ママの休業が連続している必要はなく、途切れ途切れでも対象になります。

子が1歳到達時点等で保育所に入れない等の事情があれば、さらに1歳6ヵ月までの休業延長も可能です(育介休業法第5条3項)。

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