平成27年9月改正派遣法の経過措置 (2016年2月号より抜粋)  
     
 

派遣法が改正されたが現在受入の派遣社員はいつまで使用可能?

 

Q

派遣法が改正されましたが、当社では、従来の契約期間が残っているので、特別な対応をとっていません。契約を再締結した時点から、新しいルールが適用されると聞きます。現在、営業のサポート業務で働いてもらっている方は優秀なので、再契約後も引き続き派遣を受けたいのですが可能でしょうか。

 

 
 

新契約より3年が上限

改正派遣法は平成27年9月30日から施行されています。派遣先にとって、一番、影響が大きいのは、期間制限ルールの変更です。

改正前の法律では、派遣労働者を「派遣受入可能期間の制限のないグループ(専門26業務など)」と「制限のあるグループ(上記以外)」に分け、制限のあるグループについては「就業の場所ごとの同一の業務について最長3年」という制限が課されていました。

ですから、貴社では「営業のサポート部門(その中の最小の組織単位)」について、3年を超えて派遣労働者を受け入れることができませんでした。

一方、改正法では、「派遣先の事業所単位」と「派遣労働者の個人単位」の2種類の期間制限を設けています。ただし、例外として次のいずれかに該当すれば、期間制限の適用はありません。

  1. 無期雇用労働者派遣

  2. 60歳以上の高齢者派遣

  3. 有期プロジェクト業務の派遣

  4. 日数限定業務の派遣

  5. 産前産後・育児休業代替業務の派遣

  6. 介護代替業務の派遣

事業所単位では最長3年の期間制限が課せられますが、過半数代表労働組合等の意見聴取を経ることで、延長が可能です。一方、個人単位の期間制限3年については延長が認められません。

この新しいルールは、施行日(平成27年9月30日)以降に締結された派遣契約に基づく派遣に対して適用されます。

施行日前に締結された派遣契約には、そのまま従前の規定が適用されます。ですから、貴社が現時点で「特別な対応」を採っていなくても問題ないという結論になります。

今の契約が終了した時点で、新法に基づき、新しい契約を締結し直します。「派遣先の事業所単位」「派遣労働者個人単位」の期間制限は、新契約に基づく派遣が開始された日を起点として3年です。

派遣労働者の特定行為(この人がほしいと指名)は禁じられているので、新契約締結後も同じ人が派遣されてくる保障はありません。仮にお尋ねの「優秀な派遣社員」が継続派遣されたとして、その方が派遣元で無期雇用であれば、新契約締結後は期間制限の適用がありません。

派遣元で有期雇用であれば(かつ、上記例外の2〜6にも不該当)、派遣労働者個人単位でこれから3年が派遣可能期間の上限となります。

その後は、貴社で「事業所単位の期間制限延長」の手続を取ったとしても、同じ人を派遣で受け入れ続けることはできません(課を変えれば可)。

▲画面トップ

 

 
  労務相談と判例> その他の相談

Copyright (C) 2016 Tokyo Soken. All Rights Reserved

東京労務管理総合研究所