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(株)地方創生

■「地方の元気をPRベンチャーが率先垂範」

業種:PRベンチャー企業
(株)地方創生

「地方創生」が、日本を元気にする大命題と見られている折、その名もズバリ、地方創生(東京、近江淳社長)なるベンチャー企業が現れた。全国各地の中小企業の情報発信を支援する、いわゆるPR会社の一つだが、地方発の売れる商品づくりに取り組んだり、全国自治体のPRに携わる人を組織化したりと、ヒト、モノ、情報に関わる広範な事業を推進中。「2020年の東京五輪イヤーに向け、地方の元気を見せつけたい」(近江社長)と、地方×東京による“元気の二乗”を狙っている。

同社の前身となるのは、大手人材派遣会社などで長年、広報業務を経験した近江氏が平成20年に独立、立ち上げた広報戦略室。昨年秋、社名を地方創生に変えて、それに伴い、本業の広報PR以外の各種業務を拡充し今日に至る。地方の中小・ベンチャー企業や自治体の支援を事業ミッションにうたい、「地方企業をえこひいき」のキャッチコピーも掲げている。

えこひいきの具体例に、東京都と大阪府を除いた地域の企業・団体を対象にしたプレス発表資料の無料作成サービスがある。ウェブサイト上の質問に答える10分程度のやり取りだけで発表資料のひな型が出来上がるというもの。今月中に本格稼働させ、広報担当者などを置く余裕のない中小・小規模事業者の活用を促していく。発表資料の添削や各媒体への一斉配信を有料化、収入源とするビジネスモデルになる。

モノ関連=地方発の売れる商品づくりでは、INUTO(犬と)のブランドを設け、デニム産地として知られる岡山県の地場企業と共同で、デニム生地製の犬用キャリーバッグ、デッキチェアなどを開発・商品化した。ヒト関連=自治体などのPR業務に携わる人の組織化では、首都圏の学生、主婦、シニア層のネットワークを構築・運営し、ホームページ作成業務などを手掛けている。その一つ、鳥取市のirotori(いろとり)では、「はずれナシ!美味しい梨の見分け方」などのコンテンツにより特産品の梨をアピール。「担当した人が鳥取の梨を買う、鳥取に旅行に行くといった波及効果も見込める」(近江社長)。

近江社長は3年ほど前、奈良に移住して、現在は単身赴任の格好で東京・御茶ノ水のオフィスに出社し、奈良と東京を頻繁に行き来しているという。「奈良に住んで、地方の良さを実感している。東京五輪までの向こう5年間、今のスタイルで地方の元気度アップに貢献したい」と、五輪開催に向けて都市機能の更なる発展が見込まれる東京を拠点に、地方の魅力を全国へ発信する構えだ。地方と東京が“ウインウイン”で栄える近未来図を率先垂範、身をもって示そうとしている。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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