退職後の傷病手当金 (2007年9月号より抜粋)  
     
 

有給で私傷病休職中の社員が退職しますが傷病手当金を受給可能ですか?

 

Q

当社では、勤続10年以上の従業員については、6ヵ月間有給で私傷病休職を与えています。精神疾患で休んでいる従業員がいて、症状の回復が思わしくないため、休職期間満了後、退職する方向で話を進めています。この場合、退職後、1年6ヵ月傷病手当金を受けられると説明して間違いないでしょうか。

 

 
 

A

退職後も傷病手当金が支給される

傷病手当金は、平成19年4月から任意継続被保険者には支給されないことになっています。しかし、退職後の継続給付の規定(健康保険法第104条)は残っているので、お尋ねの方(勤続10年以上)は退職後も傷病手当金を受けられます。私傷病休職期間は有給ですから、退職前の休職期間中は傷病手当金の支給がストップされているはずですが、3日の待期期間が満了し、退職時に「支給を受ける条件を満たしていれば」継続給付の対象になります。

しかし、傷病手当金の支給期間は、「支給を始めた日から起算して1年6月を超えないものとする」(健康保険法第99条第2項)と定められています。仮に私傷病休職が発令される前に欠勤期問があり、傷病手当金を受けていれば、その初日から起算して1年6ヵ月が限度となります。途中、有給で手当がストップしていた期間も除外されない点には、注意が必要です。傷病手当金の金額は、平成19年4月からアップしています。仮にその前に欠勤期間があり、標準報酬日額の6割相当の傷病手当金を受け取っていたとします。それでも、退職後、継続給付として傷病手当金を受ける場合には、標準報酬日額の3分の2相当の金額が支給されます。

新しい傷病手当金は、次のようにして計算します。まず、標準報酬月額を30で除し、5円未満を切り捨て、それ以上を切り上げて標準報酬日額を計算します。次に、標準報酬日額の3分の2に相当する傷病手当金の額を算出します(50銭未満切捨て、それ以上は1円に切り上げ)。

▲画面トップ

 

 
  労務相談と判例> 健康保険の相談

Copyright (C) 2007 Tokyo Soken. All Rights Reserved

東京労務管理総合研究所